ミステリ作家の三馬太郎が八百万町のハヤブサ地区に移住したのは、父親の葬儀の後でだった。
自然豊かなハヤブサ地区の魅力に取りつかれたのだ。
小説の締め切りに追われ、疲労困憊していた太郎を癒してくれたのが、ハヤブサ地区の自然であり、緑であり、道の駅での地元民とのささやかな交流だった。
ハヤブサ地区に移住して間もなく、消防団の勧誘があり、太郎はハヤブサ地区消防団員として活躍していくことになる。
そのころハヤブサ地区では放火と思われる不審火が相次いでいた。
白昼の火災が多いことから、昼間自由に動ける人間の犯行と思われていた。
卑劣な放火犯を追いかけていくうちにカルト宗教の存在に行きつくことになる。
教団の教義を貫くには殺人も辞さないとされるカルト宗教である。
強大な敵の存在を知った時、誰を信ずるべきか困惑する太郎。
消防団の仲間でも特定の人間にしか自分の推測を明かせない状況だ。
「自分の街は自分らで守らんと!」
消防団に誘われた居酒屋「サンカク」で分団長の宮原が言った言葉である。
その言葉に感動した太郎は消防団に入団したのだ。
ハヤブサ地区の自然、人、モノ、文化、伝統、を守るために・・・
自分が大切に思っているものが、人間の欲望のために消されようとしている。
そんな危機的な状況の中、カルト宗教と正面から対決することになったハヤブサ消防団の運命はいかに・・・!
田舎の消防団、地元住民が集まる居酒屋、自然豊かな大地、どこか小菅村を思わせる雰囲気を感じるのは筆者だけだろうか。
消防団諸君に捧ぐ「ハヤブサ消防団!一度は読んでみなされ!」
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